着物のアンケート調査一覧
呉服業界の危機が叫ばれて久しいが、これからの着物業界及び着物文化を維持、発展させていくためには、着物を着てくださるお客様、消費者の声を傾聴していかなければならない。着物業界の未来を考える着物業界誌では、様々なアンケート・調査を実施してきた。様々な記事に分散されているので、ここに集約する。
消費者アンケートに関しては、SNSを活用している。特にきものと宝飾社が管理者となっているFacebook公開グループ「着物ーきものー」(3.6万人、2022年3月現在)、「和服(kimono)を世界遺産に!」(1万人、2022年3月現在)、ツイッターでアンケートを取らせていただいている。着物が好きな方が集まる着物コミュニティとなっている。ご興味がある方は、参加して頂きたい。
フェイスブック公開グループ「和服(kimono)を世界遺産に!」
着物の種類人気ランキング:小紋、紬、色無地が人気
①2022年実施:着物に馴染みのある方にとっては、紬・江戸小紋・小紋が人気となっている。特に場所を選ばず気軽に着ることのできるしゃれ着・カジュアル着が人気。一方、着物の初心者の方には、訪問着・付け下げが人気。コロナにより「洗える着物」が人気。
②2021年実施:着物ファンが集まるコミュニティであるため、着物を着る回数は多い。月1~4回程度着物を着る方は、全体の6割を占めた。一方で、「コロナのために着物を着る機会が減った」、「周囲の目が気になるので、着物を着て出かけることができない」という意見も多かった。
③2019年実施:着物警察に遭ったことがある方は、全体のおよそ2割。中には、自分が着物警察である。と答えた方もいらっしゃり、興味深い結果となった。
④2019年実施:着物保管サービスを提供する企業が増えたが、約7割の消費者が「保管には困っていない」との回答があった。保管サービスを利用しない理由として、「手元になければ、どのようなものであったか、忘れてしまうから」、「急に着たくなった時に、手元になければ不便だから」という声が多かった。
⑤2020年実施:着物を着るようになるきっかけの1位は、「なんとなく好きだから」と漠然とした回答が多かったが、具体的事例の1位は、「お稽古事」であった。茶道・踊り・日本舞踊・琴・三味線が多かった。また子供の卒業式・入学式がきっかけとなる方や、留学経験・海外在住を経て、日本文化に興味を持つ方も多かった。
⑥2018年実施:ネット販売を利用したことがあるかという質問をSNSで実施。45~60代の女性、かつ着物ファンが多いグループで実施。結果として、約7割の方がネット販売を利用している。
⑨小学校の卒業式の袴は、少しずつ浸透してきており、2015年2017年比較では、およそ2.4倍にシェアが増えている。「華美になりすぎる」などの一部問題があり、禁止する自治体もあるが、7割以上が、袴を着て卒業式に参加してもよい、と好意的である。
着物保管サービスに肯定的な着物ファンは約9%と厳しい結果となった。理由としては、「預けてしまえば、どんなものか忘れてしまうから」、「着たいときに手元にないのは不便」、「遠いところに置いてあるのは、不便」という厳しい解答であった。