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着物の種類人気ランキング:小紋、紬、色無地が人気

着物には様々な種類がある。成人式には振袖が着られる。着物にはどんな種類のものがあるか?また、現在、どのような種類のものに人気が集まっているかをアンケート、取材を通して調査した。結果として、着物をよく着る着物ファンからは、「普段着」として使える1位:紬(25%)、2位:江戸小紋(12%)、3位:小紋(12%)に人気が集まっていることが分かった。アンケート回答者が30~70代の女性がメインであったため、振袖は0.4%となった。(2022年3月調べ、対象:30~70代の女性着物ファン男性着物ファン、回答数:1863件)※フェイスブック 1,819件、ツイッター44件。重複回答あり。2022年3月追記

一方、着物をあまり着ない人、着物を持っていない初心者の方は、フォーマルの訪問着、付け下げなどが人気である。

着物の種類人気ランキング

着物の種類人気ランキング2022

着物の種類人気ランキング

着物の人気ランキング2018年(回答者97名)

簡単に着物の有名な種類を解説する。

留袖:既婚女性の第一礼装。ただ、最近は「もっと自由に留袖を楽しみたい」と気軽に集まる留袖パーティーなどを行う方もいる。

振袖:未婚女性の第一礼装。こちらも最近は「自由に振袖を楽しみたい」と区分けなく「振袖パーティー」を開催し楽しむ方もいる。

訪問着・附下:正装(フォーマル着)と呼ばれる。パーティーや式典などにも参加できる。最近では、訪問着・附下の境界はあいまいになっている。

色無地:着物の中で、柄のない黒以外の物を「色無地」と呼ぶ。家紋を入れる事で礼装としても使える。家紋がなければ、略礼装・普段着としても使える。着物が好きな方から、「普段着にも使えるので」、人気が集まっている。

小紋:着物全体に、同じ模様が繰り返し描かれている点が特徴。大半の小紋は型染と呼ばれる技法で作られている。普段着・外出着として人気が集まっている。今回のアンケートでは、飛び柄の小紋が欲しい、という声が散見された。また江戸小紋が欲しい。という声が多かった。

紬:紬とは、紬糸(絹をつむいで作られた糸)で織られた絹織物。大島紬や結城紬が特に有名。高価なものもある。普段着・外出着としてカジュアルに楽しめる事が、人気を集めている。

綿着物・麻着物:綿で作られた着物を綿着物(木綿着物)と呼ぶ。麻の着物は麻着物(上布)とも呼ばれる。上布とは「上等な布」の意味。麻の着物でも特に上等なものを「上布」と呼ぶ。上布では、越後上布などが有名。主に普段着・外出着として楽しむことができて、着物好きな方から人気を集める。

そのほか、羊毛で作られたウール着物や、浴衣などもある。

<考察:2018年と2022年の違い:江戸小紋、木綿着物、洗える着物、お召の人気が上昇>

まず、2022年の回答数が約1,800件、2018年の回答数が97件であったため、2022年の方がより詳細なアンケートとなっている。「今あるもので十分」という回答があるように、率直な意見が書かれており、データとしては消費者の率直な意見が反映されている。また大きな変化が見られた。江戸小紋・木綿着物、洗える着物、お召の人気が上がっている。

1,回答者の大きな理由は、「まだ持っていないから」である。また着回しがきくことも魅力である。

2,コロナにより「洗える事」が重視されるようになっている。お手入れが簡単で、衛生管理の魅力が高まっている。

3,暑い時期が増えている。2021年の10月は30度を超える日も多くなり、10月でも浴衣を着る人が増えてきている。「気温に合わせた装いを楽しむ」ことが消費者にも認知されるようになっている。そのため、「夏着物っぽい浴衣」(13件)、「東レシルック着物」(34件)と洗える着物に関する細かい要望も聞かれるようになった。

訪問着に関しては、約3%となっている。理由としては、「持っているから」、「着る機会がないから」となる。付け下げに関しては、「夏物の付け下げが欲しい」(14件)と夏物の方が人気が高かった。やはり暑いからである。「その他」には、最近人気のあるレース着物や芭蕉布、馬乗袴、野袴、陣羽織など珍しいものもあった。また大きめのサイズ、細めのサイズ、などの要望もあった。

夏物や単衣が欲しい、という要望も4年前に比べて増えている。単衣は浴衣に関しては、月に合わせるのではなく、温度に合わせるべきである。熱中症になって倒れてしまっては本末転倒である。

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なお、このアンケート結果だけで、「しゃれ着に人気が集まっている」という判断を下しているわけではない。ここ数年はフォーマル着が苦戦し、しゃれ着が健闘している傾向は、年間の取材を通して明白であると判断している。またメーカー、問屋、小売店にこちらのアンケートを提供し、この傾向に同意を得ている。ご興味がある方は、下記の記事も参照願いたい。

着物市場規模に関する調査2022年

筆者:松尾俊亮

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