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異業種コラボと情報発信:となみ織物 礪波専務インタビュー

異業種コラボと情報発信の重要性
―夏物が好調、大島紬や帯を積極的に作る―
となみ織物株式会社
専務取締役 礪波真一郎氏

となみ織物礪波専務

コロナ禍で厳しい状況の中、西陣のとなみ織物は夏物(夏の単衣、羽織、帯など)が好調。礪波専務は、17年近く前からブログを作成するなど、積極的に情報発信を展開。情報発信と異業種とのコラボの重要性を語ってくれた。

◆ブログやSNSを始めたきっかけ

「私は入社間もない17年ほど前からブログをはじめました。きっかけは、お客様の声でした。帯を買ってくださったお客様なのですが『着物の素晴らしさを知り、人生が変わった。ありがとう。』と感謝してくださいました。嬉しかったのですが、なかなかお会いすることもございません。お客様がこれからも喜んでくださるように、となみ織物の情報を発信しようと思ったことがきっかけです。
その当時は、ブログを書く方もまだ少なく珍しかったかもしれません。あまりブログやSNSでの情報発信は得意ではなかったのですが、10年ほど前から情報発信の重要性を感じることができるようになりました。また撮影の際に来てくださったカメラマンの方が、積極的にライカの素晴らしさを強調してくださり、私も趣味が写真になったことも、SNSを楽しめることになった一つの理由です。」と礪波専務は語る。

◆SNSの活用法(フェイスブックのフォロワー1.2万人)

「インスタグラムでは、その当時『企業名ではなかなか人気がでないよ。』とアドバイスしてくださる方もいらっしゃったのですが、となみ織物の魅力を発信したいと思い、企業名をアカウント名としました。フォロワーは約3,500名になりました。フェイスブックは、昔から利用していますので、1.2万人がフォローしてくださっています。
主に商品の作品やお客様の着姿をご紹介させて頂いております。お客様のコーディネートを紹介する事で、お客様が喜んでくださいますし楽しんで頂いております。また会社内では、新作を反物の状態で流して見せ合う事で商品のチェックなどを行っているのですが、こちらもユーチューブに動画として200本ほど流しています。こうした様々な情報発信を行う事で、様々な広がりを得るきっかけとし、またお客様によろこんで頂くことを目的としております。」

◆夏物が好調:1~5月ごろまでは積極的に夏物を作成

「当社はメーカーとしてものつくりを大切にしております。帯着物を含めて数万柄以上の作品がございますし、当社の社長も積極的に物を作る事を奨励します。入って間もない社員にも積極的に物を作ってもらっています。コロナで厳しい状況ではありますが、昨年の春頃は夏物が好調でした。当社では、帯だけでなく、夏の単衣や、大島紬のブランド『あまみーいろ』、お召、夏の羽織、他産地とのコラボなど積極的に様々な作品を作っています。1~5月ごろまでは夏物を作成していきます。ぜひ一度ご高覧頂けましたら幸いです。夏物は、『夏向けの着物はお持ちではありませんか?』とお客様にも提案しやすく、好評です。着物が好きな方は夏物も喜んでくださいますし、夏羽織なども人気がございます。」と礪波専務は語る。

となみ織物

◆異業種の方とのコラボで相乗効果を持ち、お客様に楽しんで頂く

「日本画家の中野大輔様とコラボさせて頂きました。また約400年続く唐紙をつくられる唐長様ともコラボをさせて頂いております。唐長様とのコラボで生まれた『南蛮七宝』の作品には、多くのファンの方がいらっしゃいます。こうした様々な方とコラボさせて頂くことで、相乗効果が生まれます。新しい作品も生まれます。名古屋の美術館での唐長個展では、帯や着物も展示頂きました。となみ織物ファンのお客様が展示会や個展に参加するなどして、着物を着るきっかけも生まれます。
お客様が喜んでくださることで、私どもの作品により愛着がわき、また美術館で紹介される作品を身にまとっている、という事がお客様にとっても喜ばしい事になります。お客様に喜んでいただける事がとても大切である。と感じます。」

厳しい中でも意欲的に新作を展開し続けるとなみ織物。今年も積極的に夏物の新作を展開する。「五代目日記」は、礪波専務のブログである。また問い合わせなどは下記より。

五代目日記

となみ織物株式会社
住所:京都市上京区寺ノ内通堀川西入東西町405
TEL:075-431-3301

筆者:松尾俊亮

となみ織物の作品紹介は下記より。

となみ織物の作品紹介:「あまみーいろ」も人気

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