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着物を着るようになったきっかけ:着物を普段着として楽しむ方も

弊社「きものと宝飾社」が管理をするフェイスブックグループ

「着物―きものー」(約25,000人)(公開グループとしてはFB最大)

「和服(kimono)を世界遺産に!」(約8,300人)

で、アンケートを行った。タイトルは「着物を着るようになったきっかけ」。有効回答数は、2048件。期間は2020年10月。着物を普段着・日常着として楽しむ方も多い。

フェイスブック公開グループに参加されている方であるため、着物ファンを対象としたアンケートとなる。ちなみに参加者層としては、72%が女性。年齢別で最も多い女性層は、45~54才の層で、23%、ついで、55~64才の層で18%、35~44歳の層が16%、65才以上の層は7%である。64%が35才以上の女性層となり、呉服市場の中核の年代層となる。ほとんど毎日、着物を普段着として楽しむ方もいる。ちなみに筆者は男性であるが、着物を普段着として毎日着物を着ている。理由としては、着物の業界誌を出版しているからでもあるが、着慣れてくると快適だからである。

◆アンケート結果からの考察:気づきや体験、イベントをきっかけに着物を着始める
アンケートを自由な投稿で募ったため、「なんとなく昔から着たかった」、「日本文化に興味があった」、「着物が好きだから」といった漠然とした回答が、43.7%と多くを占めた。
具体的なきっかけのランキング
1、 お稽古事:(8.0%)
2、 家業の関係:呉服店、その他の家業(4.7%)
3、 七五三、振袖から興味を持つ(4.7%)
4、 海外旅行、留学など海外をきっかけに日本の文化に目覚める(3.8%)
5、 着付け教室がきっかけ(3.0%)
6、 子供の行事(卒業式・入学式)がきっかけ(3.0%)
7、 家事や仕事、子育てが一段落したため(2.4%)
8、 やっぱり着物がいいねと褒められたいから(2.1%)
9、 年をとったり、体型が変わっても着られるから(2.0%)
10、嫁ぐ際にたくさん着物を持たされたから(1.7%)
「お稽古事」、茶道がやはり最も多かった。ついで、華道、日本舞踊、琴、三味線などが続いた。また海外旅行や海外の滞在をきっかけに日本文化に目覚める方も、思った以上に多い。こうした教養や気づきの行為が、日本文化に目を向けるきっかけとなる事も分かった。日本文化や着物に目を向けるきっかけは、体験や気付き、そして親の影響が大きい。
また、家族の影響も大きい。多くの方は、祖母、母親の影響を大きく受けており、祖母、母親の着物、または嫁入り道具に持たされた着物を、何らかのきっかけを経て、着る事を始めている。また小さい頃から、着物を普段着として楽しむ方もいらっしゃった。

◆大きな影響を与えるイベントは、「七五三・成人式・子供の卒業式・入学式」
最も大きな影響を与えるイベントは、七五三、成人式、子供の卒業式、入学式などの儀式である。儀式に着ていくフォーマルな着物のきっかけが、着物が好きになる、着物を着ようと思い立つ契機となる。従って、今後とも着物業界としては、こうした式事を大切にしていく必要がある。また何かこうした「きっかけ」となるような、行事・イベントがなければ、なかなか着物を着る気持ちにもなってもらえない。

行動・行為に合わせて着物を着るようになる。よって、七五三~成人式~入学式・卒業式などの式典は大切にすると共に、習い事、教養などを展開したり、始めたりすることもまた大切な事になっている。遠回りである事は否めないが、習慣として、お客様にお店に来て頂き、着物を着て頂けるようになる事が重要である。

◆洋服よりも経済的、年をとったり体型が変わっても着られる点が魅力
年をとっても着物を着れば、素敵ね!やいいね!と褒められる点が魅力であると答える女性も多い。またコーディネートや着回しで楽しめる点も多く、洋服よりも経済的と答える方もいらっしゃった。また姿勢を正す為、腰痛の緩和の効果もある、と答える方もいらっしゃった。年をとっても楽しめるファッションであることを、積極的に打ち出すことも必要であろう。また着物業界の主要な顧客は、こうした40代以降の女性であるため、洋服に勝る魅力を積極的に発信していく事も必要となるのではないだろうか。

詳細なアンケート結果は下記。

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