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KIMONOの森 音楽ライブと展示会が開催

KIMONOの森 音楽ライブと展示会が開催
「KIMONO-DRESS by KFFD」記者会見&トークショーも開催
伝統文化創造推進機構

一般社団法人伝統文化創造推進機構(東京都品川区)は、2月8~9日、京都文化博物館(京都市中京区)にて「KIMONOの森 音楽ライブと展示会」を開催した。【主催:伝統文化創造推進機構(経済産業省「令和3年度 展示会等のイベント産業高度化推進事業」採択事業)】
KIMONOの森
KIMONOの森音楽ライブと展示会では、「KIMONO-DRESS by KFFD」の新作ドレス発表記者会見及びトークショーも2月9日に開催された。

◆「KIMONO-DRESS by KFFD」とは?
手描京友禅の着物テキスタイルを使った新アイテムとして、ファッションデザイナー菅井英子氏がドレススタイルをプロデュース。ワンピースタイプとコートタイプの2種類が発表。着物と同様にお誂えが可能。
洋装に着手するにあたって、(株)デコ・ジャパン(代表:菅井英子氏)に商品企画・開発、デザイン、プロデュースを委託、京都工芸染匠協同組合加盟の3社(木村染匠㈱、㈲藤沢刺繍・藤理工芸(株))が各社の持ち味を生かして製作。4社の頭文字をとってKFFD。

記者会見及びトークショーは、木村染匠の奥野むつみ氏が司会を行った。

◆日本のデザイナーとして何を作るべきか。サスティナビリティとは。
デコ・ジャパンの菅井氏は
「日本のデザイナーとして何を作るべきか。洋服は西洋が発祥の地ですが、日本にもなじみ普及しています。一方で日本のテキスタイルは世界一と言われてきましたが、私はデザイナーとして、和と洋の融合を志し、伝統の柄やデザインを使った作品に取り組んでまいりました。」と語った。
「着物業界も厳しい状況下にあり、着物テキスタイルも様々な新しい取組を行っていく必要があります。ただ、着物の形のままでは、世界に挑戦する事は難しい。着物の着方そのものを世界の方に提案する事が難しく、羽織やガウン、コートならば簡単に着られます。そして簡単に着られるという事は、障がい者の方にも着やすく、バリアフリーにも繋がります。」と木村染匠の木村社長は語った。
ワンピースでは、すそがつながった作品も発表。これは古代の貫頭衣をモチーフにして制作された。また竹を描いたドレスも発表。ドレスで帯もないため、のびやかな柄行きが表現できた。
菅井氏は
「日本の文化はビジネスになると言われています。それをどれだけやっていけるのか?が挑戦になります。サスティナブルに注目が集まっていますが、元々日本の着物や着方は自然とどう向き合うかという考え方を持っています。いかに衰退を食い止めるか?という発想ではなく、いかに発展させていくのか?という事を考えることが大切ではないでしょうか?海外を目指す、という考え方はございますし、そのためのドレスの制作となります。また作る方、デザインする方、取り扱う方、着る方の全員がハッピーになるようなビジネスを目指していきたい。ハッピーでなければ着られることもないし、作る事もできない。皆様が喜んでくださる作品を作っていきたい。」と語った。
着物ドレス
木村社長は
「成人式や七五三などの節目に着られる着物とは違うスタイルの一つとして提案していきたい。また海外市場にも挑戦・提案し未来に繋げていきたい。新しい販路を開拓し、着物ではないスタイルの提案を行う挑戦と考えています。」と語った。

京都文化博物館では、6階展示室において、染織・和装関係者が新たな和装の提案新商品を紹介。また最近話題となるメタバース(仮想空間)も展示された。メタバース制作のコンセプトを立案した(株)伊と幸の北川社長は、「メタバースに取り組むことで若い世代の方にも興味を持っていただければと考えています。また当社ではイージーケアを探求し、洗う事の出来る素材も提案しております。特殊たんぱく質でコーティングされた絹素材になります。こうした素材を使ってシルクニットの開発なども提案してまいります。」と語った。

KIMONO-DRESS by KFFDに関するお問い合わせは下記まで。
木村染匠株式会社
住所:京都市中京区岩上通御池南入上巴町424
TEL:075-823-7700(担当:奥野)
Mail:mumuka603@gmail.com

筆者:松尾俊亮

※この記事はステータスマーケティング3月号にも掲載。

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