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着たいものを着るという要望を受け入れる:KyoDo 中島社長

「着たいものを着る」という要望を受け入れる:約束事を押しつけない
株式会社KyoDo
取締役社長 中島隆之氏

 白生地、帯地制作、着物卸を行うKyoDo。中島社長は、毎週現場、店に出てお客様のニーズや売れ筋商品を把握している。中島社長にお話を伺った。

◆フォーマル品は好調:きもの屋さんを知らないお客様へ提案を行う重要性
 「フォーマル品よりもおしゃれ着に需要が集まっていると言われていますが、フォーマル品にも需要があり、手ごたえを感じております。七五三、お宮参りなどの儀礼に関するお客様の要望は強く、『節目なので、子供、孫の為に着物を着たい』とおっしゃいます。こうしたお客様には訪問着、留袖の需要があります。ただ、家族(子供、孫)の為に着る、という需要ですので、いきなり深堀りはできないことが多いです。このようなお客様には、丁寧にわかりやすく説明し、提案していく事が大切になってくるのではないでしょうか」と中島社長は話す。

◆お客様の要望に寄り添う
 「今はお客様の要望は多様化され、大きく変化しています。レンタルでも中古でもよいという方も増えてきました。こうした流れにも制限をかけるべきではないと考えております。きものを着ることがかっこいい、可愛い、おしゃれというトレンドをもっと加速すべきだと考えます。きものはこうあるべきだ、という論理は業界に携わる人間として、私も知識はもっていますし理解もしています。しかし、その制限や約束ごとが、気軽にきものを着ることに制限をかけている場合もあります。
フォーマルなきものなどには、もちろんお約束ごとは必要だと考えます。着る場やその目的に合わせて、また着る時期にもあった素材や柄、色、コーディネートなど、その場に適した着こなしが必要でしょう。ただその一方で、可愛いから、かっこいいから、おしゃれだから着てみたい、という方々にも様々な提案やアドバイスを、もっともっと加速する必要があると考えています。今は、作家さん、メーカーさん、そして小売店さんにも、そういうわかりやすい提案をしておられる方が増えてきています。20年前の業界では考えらないことです。
今、私どもが手がける商品で人気が高いものとしては、型染め、手描き、ぼかしの紗が好調です。絵羽織やコートの提案でお客様が喜んで下さることが多いです。白系の訪問着など、ドレッシーな雰囲気のものをお客様が喜ばれる傾向がございます。何よりもお客様がほしくなるコーディネート(商品)でないとお客様は購入してくださいません」。

◆提案を通して、少量多品種のお客様の需要に応える
 「私は、30数年この着物業界にお世話になっております。25年勤めていた会社を辞めて、独立して8年となります。サラリーマン時代となお変わらずお取り組みをしていただいている方々。独立してからのおつきあいですが、細かな注文にお応えしていただいている方々。本当に感謝しかありません。
お客様が求めるものを、少量でも手配できるか、作る事ができるかが当社の生命線。そのためにはたとえ一反でも染めてくださる、織って下さる、一緒になって取り組んで下さる仕入れ先様との信頼関係が、今後ますます重要になってきています。
当社のKyoDoという社名は、こうした繋がり、信頼を大切にしたいという気持ちを込めております。その繋がりから、川上の方々からの白生地、オリジナル袋帯、バッグ、草履などの注文も増えてきました。

当社のブランドとして、大柄の紋意匠にボカシ染や臈纈染をした訪問着などのブランド『花かをる』、羽織、単衣のきもの『風かをる』がございます。そのほかにも、半衿の手描き製作や草履バッグなどの細やかな和装小物の作品も展開しております。お問い合わせなどございましたら、ご連絡頂けましたら幸甚です」と中島社長。

株式会社KyoDo
住所:京都市下京区五条通烏丸西入ル醍醐町290番 烏丸五条ビル8階
TEL:075-343-6800
Mail:kyoto@kyo-do.com

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