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「和装(きもの)文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進に向けた有識者検討会議(第3回)実施

公益財団法人京都和装産業振興財団(池田佳隆理事長)主催の第3回「和装(きもの)文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進に向けた有識者検討会議が新・都ホテルにて3月13日に実施された。

第3回目の有識者検討会議が開催された。検討会議はこれで最終となる予定。最短日程による想定としては、2017年12月頃、文化審議会文化財分科会無形文化遺産保護条約に関する特別委員会に概要を提出。文化庁では、茶道、華道、書道、和装、盆栽などの生活文化にかかる案件に関しても検討対象としている。
前回の検討会議を経た結果、大きな変更点は3点。
①名称は「和装」から「きもの文化」へ。
 海外でも知名度を獲得した「きもの(kimono)」の方が、一般の方にも分かりやすい
②「きもの生活文化」を重視する
 技術や慣習よりも生活文化を重視する
③「京都」のみに偏らない様に、全国各地で加速度的に協力を得るため、より広い団体に参加、賛同を呼び掛ける。

検討会議では
・きものに詳しくない人にでも分かりやすい内容になっているか
・皆が喜んで着るものであり、博物館に展示されるようなものではない。よって学問的になりすぎないでほしい
・学生の中にも「こういう風に着ないといけない」と思っている人がいる。もっと様々な着方や変化、ダイナミズムを受け入れられる環境であってほしい。変わる物もあるし、変らないものもある。
・全国で盛り上げるための呼びかけが必要。産地・流通・小売店・着付教室とも協力していく必要がある
など、様々な意見があった。

【第3回有識者検討会議 出席委員名簿】(敬称略)
学識経験者
・市田ひろみ(服飾評論家・日本和装師会会長)
・柿野欽吾(日本きもの学会副会長、学校法人京都産業大学理事長)
・河上繁樹(学校法人関西学院大学文学部教授)
・近藤尚子(学校法人文化学園大学服装学部教授・和装文化研究所所長)
・横山俊夫(公立大学法人静岡文化芸術大学学長)

和装業界関係者
・池田佳隆(京都和装産業振興財団理事長、京友禅協同組合連合会理事長)
・渡邊隆夫(京都和装産業振興財団副理事長、西陣織工業組合理事長)
・野瀬兼治郎(京都和装産業振興財団副理事長、京都織物卸商業組合理事長)
・川中隆(京都和装産業振興財団副理事長、西陣織物産地問屋協同組合理事長)
・田村輝男(京都和装産業振興財団副理事長、京染卸商業組合理事長)

オブザーバー
・森木隆浩(京都府商工労働観光部染織・工芸課長)
・安河内博(京都市産業観光局商工部長)
・河村房江(京都商工会議所産業振興部ブランド推進担当課長)

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