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芭蕉布の作り方―与論島の与論民俗村―

芭蕉布は沖縄県や奄美群島で作られている特産品。奄美群島南端の与論島(人口約5,000人)の与論民俗村は、観光客にも開放され、芭蕉布の作り方、サトウキビの収穫の仕方など、様々な与論島の歴史や方言を教えてくれる資料館です。与論島で昔から使われてきた古民家や民具なども残されており、丁寧に菊館長が説明してくれます。

芭蕉布の芭蕉 芭蕉

芭蕉にもバナナがなる実芭蕉と、芭蕉を作る為の糸芭蕉があります。この糸芭蕉の幹から皮をはぐなどの工程を経て、繊維をとり、煮立てて繊維を柔らかくします。その上で取れた繊維を紡いでから、織がはじまります。非常に手間のかかる草木織ですね。

芭蕉布の織機

菊館長は「昔は、与論島の一般家庭では、どこも芭蕉布を作っていましたが、木綿の洋服が入ってくると工程が煩雑な芭蕉布は作られなくなり、今与論島で芭蕉布を作っているのはここだけですね」と語ってくれました。昔は与論島の庶民皆が着ていた芭蕉布ですが、生産量の激減、そして人間国宝となられた平良敏子さんの活躍を経て、希少価値の高いものとなりました。

また奄美大島や沖縄で印象に強いサトウキビのお話もしてもらいました。「与論島でも米を作ることはできましたし、昔は米も作っていました。ただ、国策ということもあり、米は作られなくなりました。その結果、スズメが与論島からいなくなってしまいました」と教えてくれます。

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与論島は、奄美群島の南端と言う事もあり、鹿児島県になりますが、沖縄県の方が近い、という地理状況になります。人口も少なく、小さな島なので蓮舫さんや芸能人の方にも愛されている観光スポットでもあります。もちろん海はとてもきれいで、特に夏場の百合ヶ浜は有名です。

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奄美群島最南端の与論島では、もちろん奄美大島から由来する「大島紬」も生産されています。綺麗な海と小さな島。きものなどの歴史も残る与論島に時間があれば、旅行に行くのも楽しいと思います。

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