ミス・ユニバース世界大会の着物風ドレスの左前右前問題に関して
ミス・ユニバース世界大会が話題になって、着物のえりの右前左前が注目されています。この衣装は海外のデザイナーの方が、着物風のドレスを作っているのだ、と感じます。お写真を見れば明らかですが、まずこのドレスは着物ではなくドレスです。大事なことですので2回言いました。着物をモチーフにしたドレスではないでしょうか?
世界各国では様々な作品が作られています。ドレス風の着物というものもありますし、着物風のドレスもございます。着物の生地を使用したスーツやネクタイ、ドレスなどもたくさんございます。もちろん、こうした作品を見て、個々人の色々な解釈や嗜好ははあるかと思います。弊社としては、必要以上に誹謗中傷するものではないと思います。まず第一にドレスですので、衿は問題にはならないと考えます。
今回の件に関しては、様々な意見があります。
・「初めから100%理解しあえる事はありえない。これから交流を進めていき、互いを理解していければ」
・「ドレスなのでおかしくはない。なぜ怒っているのか分からない」
・「日本や日本への愛情や敬意を感じられない。」
などです。
◆着物の左前右前問題は、毎年話題になる着物特有の議論です。
左前右前は、着物、特にSNSではよくある問題です。毎年言われています。特に有名人や芸能人の方はスマホで撮影して、反転している写真を上げて、批判されることが毎年ございます。これは着物業界としては、悲しいことですし、残念なことです。
スマホで撮影すると左右反転することがあるのは、公知の事実です。ちょっとした行き違いであり、必要以上に責めることも気にすることもないと考えております。改めてご理解いただけましたら幸いです。なお、話題になっている件に関しては、まずドレスなので、そもそも問題が存在しないと確信しております。
また、ずっと右前左前問題を見聞きして知ったのですが、病気や障害ではないのですが、瞬間的に右と左を判断するのが苦手な方がいます。こうした左右の判断が苦手な方や症状を「左右失認」、「左右盲」と呼ぶようです。こうした方は、右と左の判断に少し時間がかかります。こうした方には、左右ではわかりにくいので、「第三者から見て衿元(えりもと)が、小文字のy(ワイ)の字に見えるように着るのが正しい衿合わせだ」、と覚えるほうがわかりやすいようです。
日本の方はもちろん、海外の方にも着物に興味や関心を持っていただければ幸いです。日本代表として出場された方には、敬意を表したいと思います。素晴らしいご活躍だったと称賛させて頂きます。
ご参考になれば幸いです。
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