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パールトーン新社長に宮崎慎也氏が就任

パールトーン新社長に宮崎慎也氏が就任
株式会社パールトーン
代表取締役社長 宮崎慎也氏

 

着物の撥水加工「パールトーン加工」で有名な株式会社パールトーンは、2021年10月、前任の由本敏次氏に代わり、宮崎慎也氏が代表取締役社長に就任した。宮崎社長にお話を伺った。

パールトーン宮崎慎也代表取締役社長

 

◆「今後のパールトーンの中・長期事業構想」
「コロナ禍によって日本のみならず世界中が厳しい経済状況に直面している現在、当社の経営環境も決して楽観を許すものではありません。こうした中で新たな代表取締役社長として就任するにあたり、業績を回復基調に戻し、さらには成長軌道に乗せることが私の使命であると考えています。このため、新社長就任とともに新たな経営施策を打ち出していますが、その一つが5カ年計画の中・長期事業構想です。」と宮崎社長は語る。
「創業以来の当社の柱である呉服関連事業については、今後も全力をもって顧客満足の向上と新規顧客の獲得を推進。そのうえで、カーペットや広幅生地、皮革製品などへのパールトーン加工の利用分野拡大、新たな消臭・抗菌・抗ウイルス加工技術による新市場開拓、ECサイト開設による販路拡張などを目指していきます。すでに「福知山WORKSHOP」開設によって挑戦への基盤は整いつつあり、新体制のもとでその推進力を高めていくためにも明確な目標数字を設定した中・長期事業構想を策定しました。
新市場を開拓・販路を拡張するためにはパールトーンのブランディング・認知度を高めていく必要があります。2代目國松照朗の座右の銘に『不知不来』という言葉があります。
パールトーン加工を知らない方は、パールトーン加工をしようとは思いません。より多くの方にパールトーン加工を知ってもらうために、様々な新しいことに取り組んで行きたいと思います。」

◆パールトーンの強み:確かな技術力
「昭和4年(1929年)に『ライオン式防水加工』として生まれたパールトーン加工は、90年以上の歴史の中で、撥水剤や加工技術を進化させてきました。商品にとって最適な加工を施すため、自社開発した独自の溶剤を使用しています。また撥水性能は極限まで追求しますが、撥油性能は高くしすぎないように調整しています。撥油性能を制御する理由は、ベンジンなどのお手入れが容易にできるようにするためです。撥油性能を高めすぎると油性の汚れなどが付いた場合、お手入れが困難になる場合があるからです。数値至上主義になるのではなく、絶妙な調合を追求しています。こうしたあくなき研究、最適化が今のパールトーン加工を支えております。その結果、葵祭の衣装や京都・清水寺の『青龍会・龍と衣装』にはパールトーン加工が施されるなど、様々な伝統文化財にもご利用いただいております。こうした積み重ねが、パールトーン加工の強みだと考えています。」と宮崎社長は語る。
宮崎社長はパールトーン加工の魅力や強みを再認識するための資料を作成。パールトーンの効力がより分かりやすく理解できるように、新しい動画も作成。資料と共に動画を見ることでパールトーンを知ってもらうことを積極的に推し進めている。動画はYouTubeにて公開されている。

 

「今後全従業員一致団結して社業発展のため専心努力する所存です。一層のご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。」と宮崎社長は語った。

株式会社パールトーン
本社:京都市右京区西院春栄町2-1
TEL:075-312-1121

筆者:松尾俊亮

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