着物業界ニュース上半期トップ5 2017年
2017年の着物業界ニュース上半期トップ5は下記のようになった。
(期間:2017年1月1日~8月15日 きものと宝飾社/ステータスマーケティング アクセス数)
4位: 着物市場規模に関する調査2017
5位: 京朋 着物製造卸業をツカキに譲渡
<概論>
東京オリンピックを控え、過去の最高の外国人観光客を迎える中、日本文化に大きな注目が集まり、海外の観光客が「レンタル着物」を利用するなど、「着物」にかつてないほど注目が集まっている。特に浅草・京都を中心に着物レンタルショップは急増し、一見すると活況を呈しているように見える。
しかしながら、着物業界を支える高価格帯のフォーマル品(振袖、訪問着、黒留袖、色留袖など)などの高価格帯の商品が不調。織物産地・生産現場の生産数量も下げ止まりを見せず、既存の着物専門店・問屋・メーカーは、厳しい状況下にある。着物業界の主力とも言える振袖も、「ママ振」(母親・又は親戚関係から振袖を借りる事)を含んだ「レンタル」の比率が上昇し、物販の苦戦が顕著になっている。生産を担うメーカーの撤退、再編が今後も続くと予想される。
また今期の浴衣の商戦も前半を終えている段階では苦戦している。全体数量がそこまで落ち込むことはないと予想されるが、既存店の売上高は悪化している。これは販売チャンネルの多様化(ネットショップの増加、アパレルショップの取扱店舗数増加、ホテルでの販売)などがあり、1店舗当たりの売上高が減っていることが原因。百貨店等が扱う高価格帯の浴衣も苦戦。ネット通販では競争が激化し、ランキング上位を勝ち取るために1円でも安く、という価格競争が進んでいる。
C to C の躍進
着物レンタル、リサイクルショップ、ネット通販市場は健闘している。しかし、価格競争は激化し二極化は進んでいる。健闘している企業では、研究や顧客サービスの充実を図り、より豊富なラインナップを展開している。また、ネットオークション、近年大きく注目されている「メルカリ」やSNS上でのやりとりが伸長し、着物においてもC to C (顧客から顧客)の流通が増加している。「今後、メルカリなどのC to C が脅威になる」と関係者は語っている。
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