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成人式を20歳に据え置く事を表明する地方自治体が増加

2022年の民法改正後に18歳成人になる事で、「成人式がいつ行われるようになるのか?」という課題が生じている。

様々な問題が生じている為、検討している地方自治体が多いが、「成人式」の式典を二十歳に据え置く事を表明する地方自治体が増えている。

2018年にいち早く据え置きを表明した神奈川県逗子市、その後京都府京都市、香川県高松市、埼玉県蕨市が据え置くことを表明。2019年に入って、愛知県豊田市、豊明市も民法改正後も式典を二十歳に据え置くことを表明した。成人式を開催する地方自治体や大人が、考慮すべき主要な課題として

・18歳の式典開催は、受験・就職という大切な時期に重なり出席しにくい。また将来の進路に関わる大切な時期であり、教育的な配慮が必要

・受験・就職などの準備などで保護者・又は本人の支出が重なる

・18歳に式典を引き下げると2022年度に18,19,20歳が同時に対象となり、3学年を迎えるための会場の確保が困難になる

などが挙げられる。

また成人式発祥の地とも言われている蕨市の頼高英市長は、蕨市ホームページにて「成人式開催については、法律で定められたものではなく、各自治体で判断する事となります。こうした中、成人式発祥の地である蕨市として、民法改正後の成人式の在り方について、なるべく早くに発信することが、発祥の地としての使命であるとともに、そのことが、『自分の成人式はどうなるのだろうか』と不安に感じている若者やご家族の安心につながるとの考えから、民法改正後の成人式の在り方について、検討を進めてまいりました」と発表している。

民法改正後も式典を20歳に据え置くことを表明した多くの自治体が、上記の課題を解決するために据え置きを表明している。また、「成人式」という表現に「二十歳の集い」、「二十歳のつどい」という副題をつける事で、名称が持つ課題を改善しようとしている。

◆成人式の目的と意義

何の為に成人式を行っているのか。成人式が初めて開催されたのは、戦後の1946年に、敗戦のショックで希望を失ったり生活に苦労している次世代を担う若者を祝い、励まそうという目的で初めて開催された。大人が若者を励ますための祝い事、式典であった。

若者を祝い、励まし、支えるという素晴らしい式典ではないだろうか。こうした目的がある以上、今後参加するであろう若者の状況にも当然配慮すべきであるし、若者の意見にも耳を傾けるべきではないだろうか。

10代の74%が引き続き20歳での式典を希望

そうした中、日本財団が実施した18歳意識調査第7回テーマ「成人式について」では、10代の若者にアンケートを実施。74%の若者が、これまでと同様20歳での式典の実施を希望している。今まで成人式に参加してきた成人たちは、高校を卒業した2年後に成人式を迎え、旧友との再会を喜び、楽しんできた。こうした同窓会としての側面を、多分に成人式は持っている。今の10代も同じように「友達」との再会を楽しみたいと考え、受験や就職などという慌ただしい時期を避けて節目の式典を楽しみたいと考えている。

激しく変化する時代ではあるが、2022年まで後3年。より多くの各地方自治体が、若者を祝うための式典として、検討される事を期待したい。

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