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龍村美術織物 四代平蔵 龍村旻氏 インタビュー

織物を芸術品に昇華し、「美術織物」というジャンルを確立した㈱龍村美術織物(京都市)。その作品は多くの人を魅了し、作家芥川龍之介、宮尾登美子他幾多の文人、芸術家に最高級の賛辞を受けている。四代平藏 龍村旻(きよし)氏にお話しを伺った。

2015-05-19 15.31.33s

お客様のご要望に合わせて

「着物市場に限りませんが、現在の市場では高額品と廉価品に二極化が進んでいます。例えば、ベンツでも入門編の車から、高級品の車まで製造しています。こうした中、私どもも、入門編の製品に力を入れております。もちろん、入門編だからと言って手を抜くことはありません。帯の設計などはエンジニアリングを変えずに制作しています」と龍村社長は語る。

「今までは、袋帯は本袋を作っておりましたが、お客様のご要望に合わせて、縫い袋もローカルチェーン様などを中心にお取り扱い頂いています。縫い袋でしたら30~40万円から、本袋帯でしたら、48万円からお取り扱い頂けます」。

こうした入門編の製品も手掛けながら、主流となる芸術性の高い作品も引き続き高い評価を得ている。「龍村の帯」を使いたいというファンも多い。

「ボリュームゾーンとなるのは、100~300万円のものになるでしょうか。似通った商品が多くなる中、際立った物、芸術性の高い製品を喜んで下さるお客様はいらっしゃいます。別注の家紋入り七五三の帯などの注文もございます。そうした方のためにも、私どもは技術を守っていかなくてはなりません」。

―厳しい市況の為、技を持った職人、工芸士も減少していますね。

「そうですね。昔は職人さんの数も多く、お寺さんの織物などの注文は、そのお寺の檀家さんが注文を受けていたようです。近年では檀家となる職人さんも減ってきているようで、少しずつですが、そうしたお寺さんの注文も担うようになってきました。こうした状況であるからこそ、私どもは自社で職人を守り、育てていかなくてはなりません」。

ブランドを守るために

「昔はブランドを守るため、意匠登録などもしていましたが、今では業界全体の発展の為にそうした事はあまり行っていません。切磋琢磨して技術を向上させ、残していきたいと考えております。

また海外からの観光客のお客様が、着物を楽しまれたり、インテリアファブリックも海外から注目を集めるなど、日本の技術、運化が再び注目を集めています。こうした中で、2020年の東京オリンピックは和の文化を国際的に発信するチャンスであり、私どもも色々な仕掛けをしていきたいと考えております。美術織物のジャンルを確立し、それを高め続けてきた弊社では、これからも美術織物の領域をさらに高めながら、より多くの皆様に私どもの作品を楽しんで頂けるよう、商品開発を行い続けます」と龍村社長は語った

※また、近年では、龍村美術織物の公式オンラインショップもオープン。特に「たつむら」の帯がより求めやすい価格で販売されており、多くのファンがオンラインショップも楽しんでいる。

龍村美術織物公式オンラインショップで「たつむら」の帯が好調

インタビュー記事は「ステータス・マーケティング 着物年鑑2015」(2015年7月発刊)に掲載。

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