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SNSや電話をしない集客・告知方法「ゆかたdeミシガン」

ゆかた de ミシガン―電話集客なし・毎月発行する着物通信だけで205名が来場―

NPO法人「きものを着る習慣をつくる協議会」滋賀支部(増倉昭二専務理事)は、2017年8月5日、琵琶湖汽船の協力を得て、13年目の「ゆかた de ミシガン」を実施。着物店 和蔵(滋賀県草津市:増倉昭二社長)が発行する「和通信(なごみつうしん)」というDM(ダイレクトメール)のお知らせだけで、205名が集まった。最近はコロナの影響でSNSでの情報発信も過剰供給となり、消費者、企業ともに疲弊している。SNSやホームページを使った告知、集客が盛んに叫ばれる中、既存顧客向けの紙体での告知方法で多くの来場者を楽しまる手法も存在する。

※最近では、SNSが読まれにくくなっており、「SNSで集客できない」、「SNSが使えない・苦手である」と悩む企業もある。改めて会員向けのDMが注目を集めている。そのため、当記事を再掲する。

電話をしない集客
DMだけで205名が集まる

人気企画の琵琶湖を周遊する遊覧船ミシガンに乗りながら浴衣を楽しむ「ゆかた de ミシガン」。リピーターも増加し、150名で募集したところ、総勢205名が集まることとなった。天候にも恵まれ、2時間半のクルーズを参加者は思い思いに楽しんだ。
 「3年目となり、リピーターや口コミで広がってきています。お子様を連れたご家族、兄弟それぞれが家族を連れた参加、ご夫婦がお子様のご家族、お孫様を連れた参加も増えてきました。おかげさまでお知らせを出す前から『今年はいつやるんですか?』という問い合わせも頂くようになりました」と増倉専務理事は言う。
 「ゆかた de ミシガン」には琵琶湖汽船の協力もあるという。
 「NPO法人『きものを着る習慣をつくる協議会』に加盟して、着物業界でよく言われている『着ていく場所がない』という問題を、琵琶湖汽船様や近隣の飲食店や観光系の企業様にPR、相談して協力してくださるところを探して活動しておりました。『お客様が着物を着て楽しめる場所を提供してほしい』という積極的なアプローチが、協力・タイアップを生み出してきました。ただ加盟するだけではなく、加盟してどのように活用、発展させていくかを考えて、活動することが必要となってきます」と増倉社長は語る。

きものを着る習慣をつくる協議会

◆電話集客をしない集客力

着物専門小売店では異色ではあるが、和蔵は電話集客をしない、という理念を持っている。現状は毎月2,000部発行する「和通信(なごみつうしん)」が集客の主軸となる。
「電話での集客は致しません。嫌がるお客様もおられますし、スタッフにもストレスだからです。スタッフが楽しみながら一生懸命働いてくれています。私としては、スタッフに『無理に売らないでほしい。今日は売れなくてもいいから、明日も来てくれるお客様を作ってほしい』とお願いしております。また着物のメンテナンス、着物教室、気軽に着られる小紋、しゃれ着に特に力を入れています。『きものを着て楽しむイベントの展開』を今後とも大切にしていきたいと思います」と増倉専務理事は語った。

<取材を終えて>
小売専門店からの電話を嫌がるエンドユーザーの声はSNS、ネットなどでちらほら上がっている。「今週は3回も電話がかかってきた」、「家の電話にかかってくるのは営業電話ばかりなので、いつも留守電にしている」などなど。消費者との連絡の取り方は、変化している。和蔵が毎月発行している「和通信」。こうした紙媒体の力もまだまだ強いということを教えてくれる。

NPO法人きものを着る習慣をつくる協議会
本部:京都市下京区白楽天町514パラーティ21塚本303号 和の国内
TEL:090-4284-9809

お問い合わせ

和蔵(NPO法人きものを着る習慣をつくる協議会 滋賀支部)
住所:滋賀県草津市大路1丁目1-1 エルティ2階(JR草津駅徒歩1分)
TEL:077-565-4700
http://lty932.com/?page_id=215

筆者:松尾俊亮

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