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日本きものシステム協同組合 細見理事長インタビュー:きもの専門店の使命

きもの専門店の使命

日本きものシステム協同組合(JKS)は、全国各地のきもの専門店47社が参加し、「日本一のきもの専門店グループ」を目指す活気ある協同組合。理事長の細見拓三氏にお話しを伺った。

 「私達は、新しい情報を共有し、時流に合ったスタイルをいち早く取り入れてきました。そういった時代の変化を、組合員同士で積極的に取り入れる事で、差別化をはかってきました。組合員は皆、前向きで成長意欲があることも大きな特徴です。中小企業の約7割は後継者問題に悩んでいると言われていますが、私達の加盟店では後継者もしっかり育ってくれています。それは、やりがいを感じる事ができるからだと思います」と細見理事長。
 「組合の経営理念のひとつに『地域NO.1(ナンバーワン)店を目指し、地域密着、顧客密着に全力をそそぎます』とあります。各組合員が地域のブランディングを高め合っています。経営の根幹は、①新規顧客の獲得 ②既存顧客の維持につきます」。

◆きもの専門店の使命
 「きもの業界が大きく変化している事は事実です。しかし、ネガティブなデータばかりではありません。きもの専門店には、ポジティブなデータもあるのです。私達は前向きにきもの事業に取り組んでいます。
例えば丹波地方でも、かつては数多くあった呉服店も数社に減りました。しかし逆に言いますと、競合店がなくなり商圏が拡大しました。私の会社には、車で2時間以上かけて来て下さるお客様もかなりおられます。こうした残存者利益はあります。呉服店が減っていく中で、地方のお店はその地域に住んでおられるお客様、そして潜在的きものファンを守っていかなくてはなりません。それがきもの専門店の果たさなくてはならない使命だと感じています。
また価格決定権があることも、他業界にはあまり見られない強みです。きものを守るために、きちんとした利益を得て、次の世代を育成する必要もあります。
 もちろん日本の各地域によって、お店の事情や特徴は大きく異なります。大都市圏には、大都市圏の客層、傾向があり、地方には地方の客層、傾向があります。そうした中で、各店舗が各々のお客様の好み、要望に応えていかなくてはなりません。だからこそ各地域に根差した戦略が必要となってきます」。

◆人のために
 「各地域に合わせた差別化、そして成功体験を組合の中で共有化していくこと。これは何のためか?と言われれば、『人のため』であり、『誰かのため』なのです。こうした王道の経営、『与えれば、与えられる』の原則で組合員同士が相互研鑽を積む事が、各地域のお客様の為になると確信しております。現に成果を出している組合員さんは、成功事例を積極的に公開してくれます」。

◆きものには力がある
 「あるお客様が亡くなられました。こちらのお客様は、出会ったころはあまりきものにご興味がなかったようですが、何度かご提案させて頂きまして、きものをご購入いただきました。そしてきものパーティーにも参加頂いておりました。ご葬儀に伺いました所、お客様のご主人が葬儀の挨拶の中で『家内の着物を着てさっそうと歩く姿が目に浮かびます』とおっしゃって下さいました。
お客様だけでなく、ご主人にも大切な思い出を残す事ができたのです。私たち、そしてきものは、こうしたお客様のライフスタイルを変える力を持っています。私達の取組がご家族の想い出にもなるのです。このような魅力がきものにはあるのではないでしょうか?
 お客様の喜び、そして思い出となるきものパーティーにも当組合は力を入れております。4回目となるきものを着て出かける会では、330名のお客様にご参加頂きます。お客様の喜びや楽しみを今後とも提案していきたいと考えております」と細見理事長は語ってくれた。

同組合では、同じ志を持った新規加盟店を募集している。他のメンバーとの商圏のバッティングを避けるため、テリトリー制となっているが、まだ参加可能な地域もあるので、気軽に問合せをしてほしいとの事。問合せは下記より。

日本きものシステム協同組合事務局
住所:京都市下京区烏丸通六条上ル北町181 第5キョ-トビル8F
℡:075-361-5055 fax:075-361-5006
http://www.furisodeshop.com/

掲載誌:

ステータスマーケティング10月号:振袖特集

ステータスマーケティング1月号

日本きものシステム協同組合「絹の郷」つくりへ