ネット販売における着物の価格帯と人気の種類
ネット販売(EC販売)における着物の価格帯に関して消費者アンケートをSNS上で行った。※2021年7月加筆修正、再掲
【調査結果要旨】
■SNS(フェイスブック)上の着物コミュニティ内においては、「7割以上」がネットショップを利用
弊社の松尾が管理人をしている、フェイスブック着物公開グループ「着物―きものー」、「和服(kimono)を世界遺産に!」という2グループには、総計約3万人が参加している(2018年10月時点)。40~60代の女性の消費者(エンドユーザー)が多い。SNSのコミュニティを利用する方々なので、ネットリテラシーはある事が前提。ネットの素養を持っている着物ファンの7割以上がネットショップを利用して、着物・和装アイテムを購入している事が分かった。また、年に4回以上ネットショップを利用している方は、30%を超えるなど積極的に活用されている。またネット販売における価格のボリュームゾーンは5万円~10万円という結果となった。
母数は各質問によって分散するが、おおよそ40~565名。ご参考になれば幸いである。
1、ネットで着物を買った事があるか?(回答565名) ※約7割がネット購入経験あり
よく利用する(年4回以上) 30.7% 174
たまに利用する(年2.3回) 11.5% 65
まれに利用する(年1回) 8.2% 46
肌着等の小物を購入 21.9% 124
一度も利用した事がない 27.7% 156
合計(左:%、右:人数) 100.0% 565
概要:フェイスブックのコミュニティ「着物ーきものー」に属しているネットリテラシーのある方の回答。40~60代の女性が中心。7割以上がネット利用歴がある。また年4回以上利用する消費者も3割以上となった。一方で「一度も利用したことがない」、「利用していたがやめた」という方は3割。利用しなくなった理由は「色が違った」、「思っていたものと違う事が多かった」などの回答が多かった。
2、(ネット利用のある方)主にどのようなネットショップを利用していますか?(回答数66名)
呉服店の運営サイト 37.8% 25
オークション(ヤフオク等) 27.2% 18
リサイクル着物店の運営サイト 25.8% 17
個人間売買(メルカリ等) 9.2% 6
合計(左:%、右:人数) 100.0% 66
概要:呉服店の運営サイトが人気となった。ヤフーオークションは運用実績も長く、こちらも人気となった。ヤフーオークションでは、個人の出品もあるため、個人間取引も多い。
3、着物で最も欲しい商品はどのようなものですか?(回答数:210名)
新品で自分用に仕立てられた物 43.8% 92
リサイクル品で体にフィットした物 38.5% 81
リサイクル品で安い物 12.4% 26
新品で、プレタ品 5.3% 11
合計(左:%、右:人数) 100.0% 210
概要:「最も欲しい」という表現があったため、やはり新品の自分用に誂えられたものに人気が集まった。ただ、価格面に関しての文言がなかったので、価格は度外視されていると想定される。
4、新品とリサイクル品、どちらの着物が良い?(回答数:120名 ※89%が新品にこだわらない)
新品・リサイクルにこだわらない 54.1% 65
体型にあえばリサイクル品でも良い 35.0% 42
手頃な価格であれば新作がよい 10.9% 13
合計(左:%、右:人数) 100.0% 120
概要:3のアンケートとは逆に、価格が想定されたためか、「リサイクル、新品にはこだわらない」という回答が多かった(54%)。トータルすると「新品にこだわらない」という回答は89%となった。
5、仕立てはどちらがよい?(回答数:43名)
自分の寸法に合わせた物が一番 90.6% 39
サイズが合わなくても我慢して着る 9.4% 4
合計(左:%、右:人数) 100.0% 43
概要:仕立ての理想は、やはり自分の寸法に合わせて仕立ててもらいたいという結果になった。
6、ネットで新品の反物を誂えた場合、どの程度の価格であれば購入されますか?(フルセット、胴裏、八掛、仕立て、ガード加工済み)(回答数:267名)
5~10万円 33.3% 89
着物の種類による 31.8% 85
3~5万円 22.1% 59
10万円以上 12.8% 34
3万円未満 0.0% 0
合計(左:%、右:人数) 100.0% 267
概要:アンケート者の自主投稿で「着物の種類による」という回答が32%となった。一番多い価格帯は「5万~10万円」の33%。また全て込みなのであれば、30~40万円と具体的な価格を回答する人もいた。「3万円以内」という回答欄も作成していたが、これは0%。着物ファンが多いので、「非現実的」と捉えられたのだろうか。
7、ネット販売で着物を購入する際、何が欲しいですか?(回答数:97名)※小紋・紬・色無地が約9割
小紋 42.3% 41
紬 39.2% 38
色無地 7.3% 7
訪問着・附下 6.1% 6
羽織・コート 3.1% 3
留袖 1.0% 1
大きいサイズ 1.0% 1
振袖 0.0% 0
合計(左:%、右:人数) 100.0% 97
概要:着物コミュニティに属する方なので、実際に着物を着て楽しむ方が多いので、利用の多いカジュアル着物、しゃれ着に人気が集まった。小紋・紬・色無地で約9割を占めた。羽織・コートにも需要があった。着慣れない方、初めて着物を買う方は、訪問着や付け下げなどのフォーマル着物に人気があった。
8、着物のメンテナンスはどうしていますか。(回答数:43名)
メンテナンスは呉服店などを利用 58.2% 25
メンテナンスはクリーニング店を利用 18.7% 8
自分でチェックして、適時処理する 16.2% 7
衿の汚れ落としも洗濯も自分でする 4.6% 2
衿の汚れ落とし程度は自分でする 2.3% 1
購入したネットショップに頼む 0.0% 0
合計(左:%、右:人数) 100.0% 43
概要:よく行く呉服店を利用される方が多い。利用するネットショップなどでは、メンテナンスまでは行わないところも多いからか、ネットショップの利用と答えた人は0%であった。
9、着物は絹が良いか?(回答数:47名)
概要:やはり絹の人気が高い(85%)。ただ、しゃれ着など日常で着る場合に関しては、洗える着物への需要もあるため、合繊着物が欲しいという方もいらっしゃった。また最近では、東レシルックの肌触りや着心地が良くなっており、着物ファンからも人気が集まっている。
以上、ご参考になれば幸いである。PDFは下記より。会議や資料などに活用いただければ幸いです。
また、「こういうアンケートが欲しい」などいう要望がございましたら、下記問い合わせよりご連絡ください。実施可能かどうか検討致します(全てのご要望にお応えする事を確約する事は致しかねます。その点ご了承下さい)
【調査手法】
きものと宝飾社では、着物業界誌ステータスマーケティング(年10回発刊)による取材を通じ、次の調査手法によって着物ファンに向けて調査を実施した。
調査期間:2018年10月1日~2018年10月31日
調査対象:着物ファン(フェイスブックの着物コミュニティに属するネットリテラシーを有する方がメイン)
調査方法:取材・アンケート及びフェイスブックコミュニティ上でのアンケート
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