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川島織物:悠久の美 創業175年記念展開催

川島の帯で名高い、株式会社川島織物セルコン(山口進社長)は、4月2~3日、本社(京都市左京区)にて、「悠久の美 創業175年記念展」を開催した。

創業175年を迎え、皇室のために制作された御料車、国会議事堂の天井張り、織物文化館などを取材して制作された新作が展示された。古典に基づいて、取材源を大切にし、敬意を表して一点一点織り上げる川島織物セルコンらしい逸品物が陳列された。また川島織物は緞帳(どんちょう)をつくる事の出来る数少ないメーカーの一つでもある。緞帳の歴史にも造詣が深い。

<つづれ織りや丸帯など制作現場も紹介>

川島織物は、着物ファン憧れの”川島の帯”はもちろんの事、全国各地の舞台の緞帳(どんちょう)・祭礼幕を扱う「呉服・美術工芸織物事業」、明治宮殿の室内装飾や京都迎賓館の壁張りなど、カーテン、カーペット、壁クロスなどの壁装材、その他各種インテリア商品で日本の室内装飾を牽引してきた「インテリア・室内装飾事業」の2つの事業を運営している。今回は京都迎賓館の晩餐室の壁張りの制作過程なども紹介された。

また今回は、緞帳を作成する工場や、綴れ織、丸帯を作成している工場、織物文化館も見学する事ができるなど、様々な企画で広く川島織物が解放された。

<緞帳の歴史>

・緞帳の第一号は、1893年「平安神宮大極殿」だと言われている。

・そして、最初の綴れ織り緞帳は、1953年の大阪朝日会館の「朝の歓喜」(フェスティバルホール)。戦後にはじめてつくられたものであり、比較的歴史は浅い。

<川島の帯>

蓮の繊維から作られた蓮糸を使用した「三光鳥」や、箔、貝殻を用いておられた螺鈿袋帯「彫巧飾花」、色調と、お太鼓の部分に太陽、前に月が現れ、月日の移り変わりを表現した「新美日月山水」など多彩な作品が展開され、来場者の目を奪った。

また逸品だけではなく、着物の初心者の方にも楽しんでもらえるように、ちょっとしたおでかけやパーティーに楽しんでもらうためのなごや帯のブランド「結」や、付け下げ、なごや帯を展開するブランド「ももよくさ」も合わせて展示された。
また織の技術を活用し、牛皮や羊の皮を使ったブランド「ryo-gin」も発表された。また着られなくなった帯地を利用してクッションなどに採用する「おじゃみクッション」など、リメイク、リサイクル企画なども紹介された。

 
川島織物には、伝統工芸士の有資格者が12名在籍。日本の最高峰の技術を守るメーカーとして、今後の活躍が期待される。

株式会社川島織物セルコン
本社:京都市左京区静市市原町265
TEL:075-741-4111
http://www.kawashimaselkon.co.jp/


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