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東京日本橋の呉服専門卸「丸上」上達社長インタビュー

東京日本橋の呉服専門卸丸上の上達社長にインタビューを行った。2022年今年の抱負を語ってもらった。

よりスムーズなお客様づくりを
―着物業界としてお客様にどうやって着物に触れてもらうのか?-
株式会社丸上
代表取締役社長 上達 功 氏
 
2021年もコロナによる緊急事態宣言が続き、社会の行動は大きく変容しました。自粛生活が長く続き、業界全体としてはイベントや催事の中止や延期が続きました。結果として、集客率の低下や新規顧客の減少が懸念されます。またフォーマル品がなかなか動かない状況が続いていますが、この傾向が続けば、着物文化を支える中心の文化が衰退してしまいます。商品の多様性を支えるためにも、フォーマル品の魅力を消費者の方に提案していく必要がございます。  
私は、着物業界全体の課題として、「どうやって新しいお客様に着物に触れて頂くか?」を考えていく必要があると考えております。  
私は行動変容として、着物業界だけに留まらず、業界外にプロモーションをかける努力をいたしました。2021年11月にはNHKのサラメシという番組に当社の食堂を取り上げていただきましたが、これは私がサラメシのウェブサイトから直接アプローチをかけて、取材に来ていただくことになりました。またサラメシ放送後は、当社のウェブサイトのPV数も大幅に増え、より多くの方に丸上を知っていただくことができました。  
また当社がスポンサーとして協力した「キモノイスト2021」も11月に開催。多くのメディアにも取材頂き、民放各社によるニュース番組での消化やYahoo!ニュースにも多数掲載頂くことができました。こうした業界内外への積極的なアプローチも重要になってくると考えております。
◆お客様とのタッチポイントを増やし、自然に着物や丸上を知っていただけるように  
コロナ禍の状況で、当社は電話営業やラインでの提案、ウェブサイトのリニューアル、毎月の案内状を社員の個性や顔が伝わる工夫を行うなど様々なアプローチ方法を模索、提案してまいりました。また振袖のオリジナル商品はウェブサイトでの提案を強化。結果として、メールやお電話を経由して、新しい小売店様にご利用いただけるようになりました。こうした自然なお問合せを増やしていく努力は、今後ますます重要になってくると考えております。こうしたお客様とのタッチポイントを増やし、認知度を上げるためのITを使った取り組みは、今後も継続・強化していきたいと考えております。そして顧客を創造する取り組みは喫緊の課題です。
ただ、大切なことですが、様々なツールが発達したからこそ、これからは逆に人と人との対面コミュニケーションが大切になると思います。 
当社では、お客様に一層お役に立てますように、商品部をフォーマル部とカジュアル部に分けます。これにより、これまで以上にコーディネートを含めた包括的な提案を行ってまいります。

丸上

筆者:松尾俊亮

なお、こちらのインタビュー記事は2022年ステータスマーケティング1月号に掲載している。

ステータスマーケティング1月号2022年

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