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2016年浴衣市場規模と推移(ステータスマーケティング掲載)

ステータスマーケティング「着物年鑑2017」にて2016年浴衣市場規模(弊誌推定値)を掲載。以下概要を示す。

※2月23日更新:2018年浴衣市場規模を発表。関連記事にリンクを添付。

<浴衣市場規模の推移と概要>

2016年の浴衣市場規模は全体で136億円。ほぼ前年並みの0.7%減となった。全国百貨店浴衣売上げは24億7,000万程度となり、前年比4.3%減。数年来の好調にストップがかかる。浴衣販売で上質感、高級高級素材を中心に支持が広まり、雑貨とのジョイントや、雑貨とのジョイントやイベント、プロモーション展開も効率的だが、ファッション性の打ちだしが弱い地方百貨店は苦戦。各店がピーク時だった05~07年の約半分の水準となっている。2014年~2016年の推移を掲載する。

2014年:137.5億円

2015年:138.7億円

2016年:136.1億円

(「着物年鑑2017」浴衣売上推定値(P.42)※詳細は「着物年鑑2017」を参照)

<2017年の動向>

近年では、4月から先行して浴衣販売を実施するところもあり、遅いところは9月まで販売を実施。約半年間の販売が行われている。都市部などの人口密集地、若年層の多い地域では、比較的堅調な売上を行っている店舗も多い。一方で、少子高齢化が進む地方では、若年層の顧客が少なく、苦戦している店舗、または浴衣を取り扱わない店舗も多い。各地域、店舗によって好み、傾向はより一層顕著となっている。

また量販店のしまむらでは「洗ってさらさら夏ゆかた」を販売(4点セット5,800円(税込))。CMなどで洗濯機で洗えることを打ち出し、洗濯機で洗うことができる事を知らない消費者に対して好意的に受け止められている。また着物専門店最大手の「やまと」では、5分で着られる「クイックゆかた」を発表。浴衣を着る自信がない消費者に対して、簡単に着られる事をアピールしている。「着物を着たことがない」、「浴衣が洗えることを知らない」など、着物、浴衣を知らない消費者、若年層に対しても、積極的なPRを行っている。

着物を着たことがない消費者に対して、簡単に着られること、メンテナンスも容易であることを伝え、その魅力を伝えることが今最も必要とされていることである。「着物は面倒であり、手間である」と考えている「着物を着たことがない」消費者にたいして、求められてもいないのに、居丈高に上から目線で着物のうんちくを語るような店舗は今後より敬遠されるであろう。便利で廉価な商品と芸術性の高い高価な商品両方が、業界には必要である。

どちらを選ぶかは消費者しだいである。


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