お知らせ

呉服業界の最新情報をお届けいたします。

となみ織物の作品紹介:「あまみーいろ」も人気

多様なオリジナル商品を持ち、ファンを楽しませる取組
となみ織物株式会社
専務取締役 礪波真一郎氏

コロナで厳しいと言われる中、ほとんど毎日新作を作り続けるとなみ織物。その豊富なラインナップに魅了されて、「となみ織物が好き。」というファンも多い。様々な作品の一部ととなみ織物の取組を紹介する。礪波専務にお話を伺った。

となみ織物

「あまみーいろ」:単衣が中心の大島紬

「あまみーいろ」は大島紬のブランド。奄美大島で職人の方が作る。何度も現地に足を運び、糸種の組み合わせなど、素材・帯との相性・バランスを考えてデザインや色の入念な打ち合わせを行う。近年は暑い日も多く、着慣れた方の多くは、単衣を着ることが多い。夏も着ることができ、軽く着心地もよい。となみ織物は帯だけでなく、着物も総合的に製作し、提案する。

「南蛮七宝」:400年続く唐紙を作る「唐長」とのコラボで生まれた柄

「唐長さんは11代目12代目、となみ織物も社長の代からですので、親子での繋がりで約40年唐長柄のモノづくりを深めてまいりました。名古屋の美術館での唐長個展。そこでとなみ織物の帯や着物を展示させて頂きました。となみ織物ファンのお客様にもご来場頂き喜んで下さりました。40年以上続ける柄で、多くのファンがいらっしゃいます。」と礪波専務は語る。羽裏などにも使われる。

「総紗縫・紗楽」:非常に細かく繊細な表現のできる織

「名前の通り『紗』に由来した織物ではありますが、通常の紗は織組織が粗くそのため夏の織物の代名詞ともいえます。
紗(しゃ)という織物は、『綟り織』(もじりおり)と言われるように、その透け感を作るために隣り合う経糸同時を綟ることによって、織組織の合間に隙間を作っています。
となみ織物では、この『紗』というのを設計の段階から全て見直し熟練の職人の手によってのみ織ることのできる織り、『総紗縫』を作り出しました。
経糸の工夫(本数、素材)、打込み、緯(よこ)の素材、全てを見直すことで従来の紗からは想像できない、非常に細かく繊細な表現のできる組織です。
そのため、夏冬にとらわれず、四季を通じてお使いいただくことができます。」と語る。

「紗楽」

「『総紗縫』+『紬糸』=『紗楽』。『総紗縫』組織のベース部分はそのままに、さらに紬糸を通した織物です。
横に通す紬糸自体も節の多い、味のあるものを選別、使用しておりますので温かみのかんじられる優しい帯になります。
また、ベース部分の『総紗縫』の透け感を引き継いでいますので、紬糸の節と相まって、この帯独特の透け感と色味になってくれています。」

となみ織物バッグ

となみ織物の取組:刀剣乱舞とのコラボも

「絞りの過程など、製作過程や帯の制作工程(デザインや試験織など)の一端をSNSやブログなどで公開しています。お客様にこうした製作過程を伝えることで、作品を共有できればと考えております。また異業種とのコラボを通じて相乗効果を生み出しています。バンダイの人気ゲーム『刀剣乱舞』とのコラボ作品としてオリジナルがま口を製作するなど、様々なお話を頂きます。京都で活動されている銅板作家の舟田潤子氏/CandyCircusシリーズとのコラボや、日本画家の方とのコラボも行っています。

こうした異業種とのコラボを大切にする理由としては

1, 相乗効果
2, 着物や帯だけで終わってほしくない。着物からお客様に人生の広がりを提案したい。

との想いからです。また異業種の方とコラボする事で、コラボした方も喜んでくださいますし、新しいアイディアや提案も頂くことができます。こうしたご縁を今後とも大切にしていきたいと考えております。」
と礪波専務は語った。様々な新作を展示する展示室も別館に存在し(予約制)、新作の紹介や、新しい取組の提案も行われている。

問い合わせは下記まで。

となみ織物株式会社
住所:京都市上京区寺ノ内通堀川西入東西町405
TEL:075-431-3301

筆者:松尾俊亮

その他の記事

着物市場規模に関する調査2022年

着物業界データ一覧(着物市場規模など)

浴衣や単衣の時期とマナー:朝・昼から着ても問題ありません