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振袖は白、黒、くすみ色が人気:コロナ禍のマスクが影響か

2022年成人式はコロナの影響もあり、成人式の可否が不透明。2022年の成人式での振袖販売は一段落している。振袖市場では、2023年、2024年の成人式の商談が活発に行われている。コロナの影響を受けた世代は、シンプル、くすみ色(グレイッシュ)の振袖を選択しているようだ。

2020年のコロナによる緊急事態宣言は、催事、イベントなども軒並み中止となっていたが、2021年は、催事、イベントなども開かれる状態に戻りつつある。
こうした中、大手小売店を中心に健闘する所も多く、2020年と比較すると回復傾向にある。

◆今年の振袖傾向の特徴
・くすみ色、グレイッシュな色調が非常に人気を集めている。特にアパレルにもこうした傾向があったが、着物市場にもこうした流行が受け入れられつつある。白地を基調とした作品や、スモーキーピンクが人気。近年では、多色化の傾向が進み、好みが分散されていることも影響している。
・無地や白、黒など、単色で統一された帯柄なども人気を集めている。くすみ色の単色系の振袖に合う帯や小物が人気を集めている。豪華な色柄というよりもシンプルな単色系に注目が集まっているようだ。

・今年はレースの浴衣が流行ったが、レースの帯や半襟、レースの羽織など、レースも注目を集めている。また髪飾りなどは、水引を使ったオリジナルの創作髪飾りなどが人気。特に美容師が、独自性をもって創作したヘアコーディネートにも注目が集まっている。
・総じて言うと、くすみ色(グレイッシュ)、シンプル、無地、レース、単色系の近年にはあまり見られなかった、新しいスタイルが注目を集めている。「コロナ」という世界を巻き込んだ大きな変化により、振袖のスタイルにも大きな影響を与えていると考えられる。厳しい世界状況の中に育った新しい世代の感性が、大きく反映されている。

◆コロナ禍でのマスクが影響しているのではないか?

これは私の仮説ではあるが、マスクの着用が大きく影響しているのではないか。これほど、大多数の人がマスクを着用して普段生活する、という事はなかった。人に顔を半分隠しながら生活をつづけた結果、あまり衣装で自分をはっきり表現する事がなくなったために、シンプルで、グレイッシュなスタイルが浸透したのではないだろうか。ここまでグレイッシュ(くすみ色)というものが、受け入れられたことはなかったように感じる。

筆者:松尾俊亮

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