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インターネット・SNS誹謗中傷対策:4万人グループ管理者の対策方法

誰もが使うようになったインターネットのSNSや掲示板。基本的には楽しいものですが、思わぬトラブルに巻き込まれ、悩み苦しむこともございます。アンチによる理不尽な嫌がらせや、心無い誹謗中傷(「クソリプ」とも呼ばれます)は、思った以上に人の心を傷つけます。また余計な一言を言ってしまい、相手を怒らせたり、トラブルのもとにもなります。中には、余計な一言で炎上してしまい、社会的制裁を受ける方もいらっしゃいます。最近では、ホームレスの方への誹謗中傷を行い、大きな非難を浴びた方もいらっしゃいました。
行き過ぎた誹謗中傷の為に、命を絶たれる痛ましい事件や、有名人や芸能人の炎上、SNSが原因での逮捕、裁判、社会的制裁なども散見されます。
被害者になるだけでなく、加害者にもなりえます。加害者になれば社会的制裁を受ける事もございます。その場合、家族にも迷惑をかけます。行き過ぎた表現は控えましょう。SNSで荒れやすいのは、個人的な見解ですが、ツイッター>インスタグラム>フェイスブックの順だと思います。というのもフェイスブックは実名でされている方が多く、年齢層も高めだからです。

最重要注意点ですが、お酒を飲んで気持ちが大きくなって人の悪口を書き込んだり動画に流したり、酒の勢いで人にからんだりすることは絶対にやめましょう。多くの人が失敗しています。

◆数千人~数万人のマイクロインフルエンサーも悩むことがよくあります
フォロワー数が大規模になった方、インフルエンサー、と呼ばれるくらいにフォロワーを抱える方は、相対的にアンチ、誹謗中傷が増えます。不特定多数の心無い言葉は、精神的にもつらいものがあります。私の実体験をもとにしたざっくりとした推計ですが、アンチと呼ばれる方は、おおよそ人数に対して、0.1%程度になります。1,000人に対して1人。1万人なら10人。10万人なら100人程度だと感じます。(発信者の理念や、表現スタイルによって比率は左右すると思います。炎上芸を好まれる発信者は、この限りではありません。)

◆Facebookグループでも管理者のグループ放棄はたまに見られます。

フェイスブックでは、公開グループが簡単に作成可能ですが、ある一定の規模になると、グループ間のメンバーの悪口の言い合いや紛争がよく見られます。そして言い争いに気を病んだ管理者が、グループを放棄・消去することもよくあります。管理者にクレームが行くことが多いからです。私も放棄・消去されたグループをいくつか見てきました。また最近では、オンラインサロンなども流行し、様々なオンラインサロンが存在します。そして、そうしたサロンの中でも、誹謗中傷が見られるようです。こうした管理人にも誹謗中傷対策は必要になってくるでしょう。

SNSのメリットやデメリット、誹謗中傷への対策方法を、7年間Facebookグループで管理をしている筆者が、事例と知見を踏まえて、対策や注意点をお伝えします。なお、私は法の専門家ではございません。実体験者としての知見や対策案となります。その点は、ご理解・ご了承のほどよろしくお願い致します。法に関する知見などは、弁護士の方、警察へご相談されることをお勧めいたします。ちなみに私は、警察・弁護士の方に何度か相談したことがあります。

私は、およそ7年間、下記フェイスブック公開グループの管理人をしています。

Facebook公開グループ「着物―きものー」

(約3.1万人、2021年8月現在)

Facebook公開グループ「和服(kimono)を世界遺産に!」

(約1万人、2021年8月現在)

私が管理している「着物―きものー」グループで、アンケートを実施しました。
「メッセージ上でトラブル(セクハラ、強引な勧誘、誹謗中傷・嫌がらせ)を受けたことがありますか?」(2021年8月:有効回答数337件)

インターネットSNSでの誹謗中傷対策

特に問題ない:87.2%
トラブルとまではいかないが、見知らぬ人に誘いを受けたことがある:10.7%
トラブル(セクハラ、強引な勧誘、嫌がらせ)に遭ったことがある:2.1%

◆8つの対処法(詳細は下記に記載しますが、長い場合は、箇条書きだけ読んでください)
1、 基本は即ブロック(「話せばわかる」というのは、半分は嘘である)
2、規約(ルール)をあらかじめ設定する。(アカウントプロフィールなどに掲載しておく。「誹謗中傷は即ブロックします。」など)
3、安易に反論しない(反論し、言い争いが過激化すると、言わなくてもいい事をいってしまう。また相手を必要以上に刺激する。馬鹿にすれば恨みを買う)
4、刺激せずにブロックすれば、相手も忘れる事が大半である(およそ1年粘着する人はまれ。)
5、ブロックすることを悩まない。(人をブロックするのではない。アカウントをブロックする。罪悪感を感じない事。)
6、「論理的にきちんと説明すれば理解してもらえる」という考えは捨てる。(無理です。特にツイッターなどの匿名SNSは。不可能です。)
7、 現実にも問題が派生するような場合は、一人で悩まずに、信頼できる人、法的機関に相談する。(警察・弁護士など。普通の方が弁護士に相談するのは抵抗があります。金銭的な問題もあります。身の危険を感じるような場合は、まず警察署に相談に行きましょう。)

8、出来ればブロックする前にスクリーンショットを撮影し、記録を残しておく。(できれば投稿された年月日が記載されている状態で保存しておくとよい。裁判沙汰になった時に、資料として有効である。)
9、アンチが存在することに必要以上に悩まない。(野球で例えると、巨人ファンもいらっしゃいますし、巨人が好きでない方もいらっしゃいます。阪神ファンもいらっしゃいますし、阪神が好きでない方もいらっしゃいます。)


1、基本は即ブロック
SNSに慣れておらず、心優しい方は、「話せばわかる」と説明しようとする方も多いと思います。私も初めの方は、「私の説明が悪かったのかもしれない。」と説明を試みたこともありました。思い悩み、眠れないこともありました。しかし、今は断言できます。無理です。「話せばわかる」というのは、半分本当ですが半分嘘です。SNSでの対話は会ったこともない人との対話です。日常的に会っている知り合いや友人ではありません。知り合いや友人なら、会って話をすれば何とかなりますが、会ったこともない人を、SNS上で、文字だけで説明するのは、非常に困難です。ブロックすることが最善です。少なくとも私は、そのように確信しております。ちなみに私は、この7年間でフェイスブックグループを維持するために、約8,000のアカウントをブロックしています。

2、規約をあらかじめ設定する。
規約はしっかりしたものを早い段階で作ることをお勧めします。ツイッターは荒れやすく、文字数も限定されているので、長い規約は作れないと思います。(私が作ったフェイスブック「着物ーきものー」グループの規約はかなり長いです。ご興味がある方はFacebookを見てください。長いので書きません。)
ですので、「誹謗中傷は即ブロックします。知らなかったという言葉は受け入れかねます。」と宣言しておきましょう。こうすれば精神的に楽になります。
というのは、あなたが気分で、ブロックしているわけでなく、規約に従って、ブロックすることになるからです。気持ち的に戸惑いなく、ブロックできるようになります。

3、安易に反論しない
話してわかってくれそうな人であれば、話をしてもいいのですが、基本的には安易に反論しないことです。反論の仕方次第では、相手の怒りを買う場合があります。相手の怒りや恨みを買うことは得策ではありません。侮蔑や罵倒も控えましょう。恨みを買います。なるべくかかわらずに忘れてもらうことが大切です。何が何でも論破したい、という方は別ですが、基本的に絡まれたくない、という方は、無視しましょう。そしてブロックしましょう。

4、刺激せずにブロックすれば相手は忘れる事が多いです。
「愛憎相半ばする」という言葉があるように、好きと嫌いが粘着するような複雑な感情が芽生えますと、粘着する危険性が高まります。初期の段階でブロックしておけば(かかわりの少ない状態で拒絶する)、人は忘れます。1年以上粘着する方はまれです。身の危険を感じるような場合は、ためらわずに警察に相談してください。

5、ブロックすることを悩まない
ブロックすることを悩む必要はありません。私も初めの頃は、抵抗がありました。しかし、今はありません。というのもFacebookでは、業者によって作られたロボットアカウントなども多いです。また、普通の方が作られたアカウントが乗っ取られていることも多いです。動画スパム、メッセンジャー経由などで乗っ取られる方が多いです。私は、4万人のグループを維持するために、この7年間で約8千のアカウントをブロックしてきました。私は人をブロックしているわけではありません。問題を起こした「アカウント」をブロックしているのです。そこは割り切ってブロックしましょう。

6、「論理的に話せばわかってもらえる」という考えは捨てる。
無理です。不可能です。特にツイッターなどの匿名SNSでは。フェイスブックでも困難だと思います。文章だけで見知らぬ方と意思疎通を図ることは、相当高度な対話です。そしてその高度な対話能力が、両者に必要になります。そんな高度な方が相手でしたら、最初から問題になっていません。よって無理です。でなければSNSの問題が、これほど問題になることはないでしょう。

7、現実にも問題が派生するような場合は、一人で悩まずに、信頼できる人、法的機関に相談する。
SNSにも様々な環境要因があり、現実の友達とのトラブルもあるかもしれません。量的には会ったことも見たこともない人からの誹謗が多いと思いますが。ただ、身の危険を感じるような場合は、信頼できる家族・友達に相談したり、警察署に相談に行くようにしましょう。警察の方は丁寧に対応して下さると思います。

8、出来ればブロックする前にスクリーンショットを撮影し、記録を残しておく。
万が一、法的な問題になった場合に有効です。投稿日時(年月日など)も残っているスクリーンショットを記録することをお勧めします。証拠を残しておくことで、自分自身の自信にもなります。身を守るために、あったほうがいいです。

9、アンチが存在することに必要以上に悩まない。
ある程度、アンチは生まれます。それはお互いに人間だからです。人間ですから仕方ないです。100%すべての方に愛されることは不可能です。それは神の領域です。人間ですので、好かれることもありますし、嫌われることもあります。おおよそ8割程度の方に好かれれば、大したものだと思います。
また野球で言えば、ファンの球団もありますが、ファンではない球団、ライバル球団もあると思います。ある程度、有名になれば、アンチは存在します。「ある程度嫌われても仕方ないな」と受け止め、認める力も必要です。「有名になった証だな」とポジティブにとらえる力もあったほうがいいでしょう。

筆者:松尾俊亮

「SNSでのルールの作り方」は、気にしていらっしゃる方もいらっしゃいますので、記事を作成いたしました。ご興味ある方はご高覧ください。

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